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外交研究会 要旨 (2010年)

民主党政権と日本の安全保障 

2010.6.14
小 川 和 久

◎普天間問題の選択肢は2つ  (1)合意案(陸上案に修正も)、(2)抜本的な構想
 ※米国には、「移設先完成までは普天間の機能は有事の運用のために温存する」と確約する必要

◎構想を進展させる条件(負担の軽減):
    1.普天間のヘリ部隊の仮移駐先への移転(危険除去)
    2.日米地位協定の改定(環境条項など)
    3.沖縄経済の活性化(建設業の米軍関連事業への参入条件緩和) 

◎普天間問題膠着の原因は「政治の不在」(政治が決断すれば、問題は解決する)
  ☆墜落の危険があるから日米は返還に合意した  以下の作業1~作業4を着実に進める必要

▽作業1:仮移設地(嘉手納、ハンセン、シュワブなど)に移駐させる(野戦部隊→1週間以内でも可能)

▽作業2:沖縄が米軍基地問題を解決する条件を県民と確認  
 ●米軍基地問題解決の選択肢は以下の3つ  
 ・選択肢1:日本からの分離・独立  
 ・選択肢2 :沖縄が自ら米国の一部になる(米軍基地ではなくなる)  
 ・選択肢3 :日本国沖縄県として最高の答案を目指す   
 ・選択肢1と2は、リスクが大きく、沖縄側は選択しなかった   
 ・大田元知事は、「我々には血を流す勇気がなかった」

 ●選択肢3を着実に進める以外に解決の道はない
   答案のレベルが高いほど、内外に沖縄県の存在をアピールできる

▽作業3: 日米同盟はベターな選択であることを県民と確認
 ●日本の防衛力の現状(自立できない軍事力(自衛隊)を日米同盟で補完)から選択肢を検討する
 ・選択肢1:自立した軍事力の保持(日米同盟解消が前提)    
   コスト例→自衛隊120万人(人件費13兆円)、防衛費30兆円
   リスク→国際的孤立  核武装→NPT脱退(原子力発電停止に)、技術的にも問題
   沖縄の基地→日本軍(自衛隊)基地が広範囲に必要
 ・選択肢2 :日米同盟の平和化(同盟関係を憲法前文の精神でリード)
   日米同盟による世界平和への貢献が日本の安全と繁栄を確実なものに

●日米同盟をベターな選択と位置づけ、軍縮への歩みを進める

▽作業4:普天間返還を突破口に、沖縄の自立を実現する構想を描き、本格的な移設先を探す(以下は一例)
 ●キャンプ・ハンセンに普天間を移設  ほかの米軍基地整理・統合・縮小の条件
 ●キャンプ・シュワブに軍民共用空港  嘉手納のハブ空港化と新産業の創出の条件